怖くて目が覚めた。寝ていたのはほんの小一時間くらい。ベットの上でノートPCを開きながら波乗りしているうちに、いつのまにかうとうとしていたようだ。枕に俯せ、片耳をつけて横向きになっている。その耳にもの凄い勢いの血流音が聞こえている。心臓がドクドクいっている。とにかく怖かった。
「こんな夢を見た」なんてタイトルを付けたが、夢なんて普通はよく覚えていないもの、若しくはどんどん忘れていくものである。特に良い夢はすぐ忘れ、惜しい事をしたと目が覚めてしまった事に後悔にも似た気持ちになる。しかし悪夢は、夢にしては引きずるらしい。続きというか、以前に見た嫌な夢と同じ場所、空気、匂いがしたりしている。それでも書いてるうちに、あやふやになってきたので記憶の断片を箇条書きにする。
一
舞台は学校のようだ。周りにいる子供からすると小学校か?。以前に何度か夢で見た事のある舞台である。その以前の夢でも1〜2度、何かに追われてる様に建物内を駆け巡っていた記憶を呼び起こされた。よく覚えているのが階段を上ったり降りたりしている場面。逃げているうちに紛れ込んだ部屋に本が沢山あったり、ピアノが置いてあったりしたので、図書館やら音楽室やらで学校らしいと思っていた。
二
それでも周囲の子供達は無邪気にじゃれ合い、こっちが追われ追いつしている事に無関心だ。そう思っている自分は同じ子供なのかこれまで判別がついた事はない。そんな事をしているうちに普通は学校に設置されていない様な部屋に逃げ込んだり、迷い込んだりする。機械がウインウインいっている。いわゆるリネン室っぽい。最終的に屋上とかに出たり、建物の外壁をつたっていたりする。
三
逆に誰かを追いかけている様にも見えた時もある。前後の感じから同じ場所には思えない所にまで、行った事もある。橋脚の下やら下水道感の中やら細い路地の中とか、逃げてる事に変わりがない。この逃げ方は先の様な子供っぽい逃げ方ではない様に思われる。繋がっているようで繋がっていないし、この時の自分は違う自分らしい。
四
だが今回の夢で、これまで不明だった部分がなんとなく解ってきた。舞台は学校でなく病院らしい。実際の所病院だかどうかは夢だから解らない。自分で自分に確信させただけである。先の無邪気な子供達はそう言う事だったのだと。よく見れば変な事を繰り返ししていた。夢の中だから変な事をしているのもおかしくは無いのだが、ここは精神に病のある者達が収容されている場所なのだなと感じたからに他ならない。今では殆ど文字で見た事の無い『精神病院』であるのだと。
五
覚えていても詳しくは書けないけど、赤い液体が廊下にぶちまけられていて、子供達は足跡を付けたりして遊んでいる。モップで拭っている者もいるが広げているだけでキレイにする訳ではない。そこを自分が走り抜けていく。赤い液体が足に付き足跡を点々と残していく。それに気づいて自分もモップを横取りして足跡を消そうとするが、更に足跡だらけになって広げてるだけ・・・赤い液体が何なのかがそもそも判っていないでやっているのである。そうなると自分も精神に病のある患者としてそこに居たのかも知れない。
六
今回の夢では、まずは追われている立場だったのも解る。足跡を消そうとしていたのもその一つの様である。以前の夢でも逃げるのに普通に玄関に向かっていて外に出たりできた記憶もあるが、今回の夢では玄関に向かうとさすがに夢らしく不良の様なヤンキーみたいな連中が玄関前で何か踊っている。よく見ると格好はそうだが、顔は宇宙人みたいな顔をしてるのでよけいに怖くて通り抜けられない。
七
引き返して廊下を曲がった瞬間、前方から追っ手らしき者が来ているのが見える。今までの夢では逃げている所で目が覚めたりしているので見た事のない対象だ。手には刃物を持っているようだ。おぼろげにしか覚えてないというか、思い出したくないほど怖かったのか追っ手の細かな特徴が思い出せない。なんか頭がでかかったようなシルエットだけである。でかいのでなくて、単にアフロのようでもあった。
八
そいつは自分を見つけると、確実にこっちを獲物としている様に近づいてくる。それを見て自分は真横の部屋に逃げる。しかし、それは袋の鼠である。以前の夢で自分が傷ついた事はなかった気がするが、今回はそうも言ってられないらしい。それでもやられて傷つくのは嫌らったらしく、窓を開ける間も惜しかったのか、体当たりしてバリンと窓を破っていた。そのまま外へ飛び出して、校庭みたいな広い場所を一心不乱に走っている。
九
ここであやふやになっている。誰かに助けを求めて逃げ切った様だった。しかし、何かに追われてる感は変わらず恐怖のままで、怖くて目が覚めている。というか今更こんな事を書くのも何だが、最後の所は何か客観的に見ていた感じがする。どうも自分は追われているようで、追っている方でもあったらしいという感じがしている。先に書いた追いかけている様にも思える、また見た事もない場所に移動しているというのは、追っ手が逆に追われる立場になった為のようでもある。自分の様で違う自分らしいというのは、そう言う事のようである。
十
ただ、最後に逃げ切った自分が自分に「小説で読んだのと一緒だ」みたいな事を言っていた様な気がする。現実にこんな感じの小説は読んだ事はない。あったとしても思い出せない。無理に思い出そうとすれば『ドグラ・マグラ』なのかも知れないと思う。それと同時に追っている方の思考にも触れたらしく「この夢を見たら次はお前がやるのだ」見たいな事を言われた気がする。なんだろう。通り魔とかする犯人はこういう夢にそそのかされてやってたりするのかなあとか、思ったりもした。
誰か夢診断して。プリーズ。
ここまで書ききって、それでもタイトルや体裁に黒澤明や夏目漱石とかを使った小ネタっぽく書いている自分がなんかキモイ。いやん。
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